ネミー通信

いつもねむいかおなかへってるかのどちらか

「型」で学ぶはじめての俳句ドリル:1章/「チーム樹海」から抜け出すために

「型」で学ぶはじめての俳句ドリル/岸本尚毅・夏井いつき

f:id:miztamary:20180915200832p:plain

俳句、もっと作らねば。という危機感

この本は、俳句に真剣に取り組んでいらっしゃる様子の或る方のツイートで知りました。
テレビ番組や雑誌などでよく拝見している岸本尚毅さん、夏井いつきさんが著者であること、
実際に読者が書き込める「ドリル」も載っているらしいことがわかり、
今わたしが買うべき本はこれだ-!と思ってすぐ入手しました。

 

何故そう思ったかというと、とにかく俳句をたくさん練習せねばという危機感があったから。
初めて堀本裕樹先生*1の句会に参加した時、
「俳句の上達のコツは『多作多捨』、つまりたくさん俳句を作って駄句はどんどん捨て、またたくさん作って、を繰り返すことだ」と教えていただきました。
けれども、作ろうと思ってもなかなかできないのです。
そして句が出来ても、捨てるべき駄句がどれなのか全くわかりません。
これは言い訳で、もっと自分なりに努力すればいいだけなのですが、
何か努力するための枠組みのようなもの、
超初心者であるわたしが具体的な足がかりに出来るようなものはないだろうか…と
自分勝手に漠然と考えていました。
そこで、この本です。

 

ブログに書き始めればきっと有言実行できるだろうと安直に考えたので、
この本について、拙いながらしばらく内容をまとめたり思ったことや練習を晒したりします。
ほんとに何もわかっていない初心者なんだなーと思ってゆるく見守ってください。
今回は1章についてです。
(続きます)

 

 

わたしってもしかして「チーム樹海」では

この本は「チーム裾野」と呼ばれる人々のために書かれています。
夏井さん曰く「チーム裾野」とは、俳句を山に例えたとき裾野にいる人たち。

俳句が、百年後も富士山のように高くて美しい山でありつづけるために必要なのは、豊かで広い裾野だ。自分に俳句なんてできるわけがないと思っている人、俳句にちょっと興味を持ち始めている人たちを勝手に「チーム裾野」と名付け、コツコツと俳句の種をまき続けてきました。
(中略)
本書では、私は徹底して「チーム裾野」の代弁者となって、「チーム裾野」の皆さんが疑問に思いそうなこと、私自身がかねてより知りたいと思っていたことを、キシモト博士にぶつけました。 (4頁より引用)

俳句を初めて作ってから3ヶ月、
おお、わたしも「チーム裾野」だ!と思いながら読み進めていたところ、
わたしは裾野の一員だけれど、厄介な場所へ行きかけているのではないかと思えてきました。
実は夏井さんの「チーム裾野あるある」がわたしにはあまり当てはまらなかったのです。

俳句を作ったこともないのに勢いだけで句会に突撃してしまったし、
形から入るタイプなので、さくっと角川の合本俳句歳時記を買いました。
小さなノートをやたらと買ったりして、
入門書を何冊か買って読み、気になる句集を少し読み、そうかなるほどーと思いつつ、
でも、俳句は実際にあまり作れないし鑑賞も上手くできない。
句会に行く時に指定数の句を作るのがやっと。
やり方が頭でっかちなような、形だけで終わる気がするというか、
素直に怖気づいて少しずつ俳句に近づいてみる「チーム裾野」より健全でないというか。
御託はいいから句を作れよ!というツッコミを自分にしています。

「作り続けないと壁を乗り越えられない、殻を破れない」という言葉を句会で聞いて
初心者だしまだまだその境地にも辿り着けないよね~と流していたけれど
このままだとわたしは簡単にその状態に陥る気がする…。
ずっと壁の手前、殻の中でさまよい続ける。
つまり、裾野の中にある「チーム樹海」になりかけています。脱却したい。

夏井さんと岸本さんの俳句始め

転びかけている初心者にとって、世の偉大なる俳人たちがどんな俳句のスタートを切ったのかは興味のあるところです。
夏井さんは独学で入門書に取り組むとともに、
俳句誌で黒田杏子*2選の若者向け投句欄に投句、
選句の結果について分析レポートを書き続けて研鑽を積んだそうです。
一方、岸本さんも独学、中学生の頃から入門書や歳時記に触れ、
たくさんの本を読み耽り、ノートに句を書き続けていたと話されています。
裾野や樹海から抜け出すためのヒントがたくさんあります。

作句と鑑賞の力について

うまく作れる人はうまく鑑賞できる。うまく鑑賞できる人はうまく作れる。
これは入門書で何度も読んだ話です。
この本でも「作ることと読むことは両輪」と書かれていて、
この両輪を育てる最短の手段についても説かれています。

わたしの場合はどちらも上手くないけれど、鑑賞のほうが断然苦手。
句会で数ある句から素敵だなあと思う句を選んでも、
何故それを選んだか、その句のどこがどのように素敵だと思ったのか、
うまく説明することが全然できません。

これは俳句に限った話ではなく、好きなものは多くても好きな理由を述べられなくて
歯痒い思いをしたことが今まで何度もあります。
ブログを改めて作ったのも、「何となく」をどんどん言葉にしていくためです。

基本的な二つの型と発想法について

1章では俳句の基本的な型についても紹介されています。
基本的な二つの型とは、「一物仕立て」と「取り合わせ」。

 

「一物仕立て」は、一つのものについて詠むこと。牡丹なら牡丹だけ。
発想するには対象を観察し、句にリアリティを出すのが大切。

一方、「取り合わせ」は何かに別のものを取り合わせるやり方。
詠む人によって意外性が出る、オリジナリティの方向性を持っています。
例えば、牡丹と人間という別のものをぶつけあって一つの句する。
連想をしたり、2つの言葉の距離感を探るのが発想のコツだそうです。
二つの違いが明確に書かれていて、改めてすっきり整理して捉えることができました。

「一句ササイズ」実践

これNHKあさイチでも夏井さんが紹介してたやつだ!と気付いたのが「一句ササイズ」。
エクササイズにかけているのですね。
簡単な四つのステップを踏むことで、誰でも一句作れる作句法です。

  1. 単語(季語でないもの)を見つける
  2. その単語から五音の言葉を作る(上五)
  3. その五音に七音を組み合わせ、ひと塊の十二音のフレーズに構成(上五+中七)
  4. そのフレーズに合う季語を探す(下五)

この4ステップ!
簡単なのかこれは。難しそう。でもやってみます。

 

今、わたしは自宅のリビングルームの机でノートPCのキーボードを叩いているので、
ひとまずここから見える範囲のものを使いたいと思います。

  1. スリッパ  (ソファの傍に脱ぎ捨てたスリッパが見えます)
  2. スリッパの (とりあえず「の」を付けて五音に)
  3. 縞の青濃し (スリッパの柄を言ってみる)
  4. 秋湿り   (歳時記で秋の季語を探しました)

 

《出来た句》
スリッパの縞の青濃し秋湿り

 

良い句とは言えませんが、とりあえず形にはなりました!
秋湿りは「あきじめり」、雨の多い秋に部屋が湿って感じられる様子です。
スリッパという単語と距離感が近くて、部屋から視点が動かない気がします。

この一句ササイズのやり方から一歩進むには、
当たり前すぎる単語を別の言葉に変え、
オリジナリティやリアリティの出る方法を考えることが必要とのこと。
例えば「秋湿り」を「竹の春」にしてみるか?「スリッパ」を「ポロシャツ」にするか?
この場合はどちらも駄目そうですが、
駄目でもいいから、あれこれ考えてオリジナリティやリアリティを意識するのが
肝心なのだろうと思います。難しい。 

初心者しんどい。

「句会によく来てくれました。でも、俳句っていいなあ、と思っているだけでは上手くならないから、続けることが大事だよ」とは堀本先生のお言葉。
次の記事からドリルに取り組みます。

*1:俳人、俳句結社「蒼海」主宰。都内で句会を開催されています。歌人穂村弘さんとの共著『短歌と俳句の五十番勝負』があまりに面白くて、読み終わって上がったテンションのまま句会に初めて申し込んだのが3か月前。芸人で作家の又吉直樹さんとの共著『芸人と俳人』は対談形式の俳句入門書、読み返しています。 horimotoyuki.com

*2:最近この句を知りました。いくつかわからない心地良さが好きです。
sakurasha.com