ネミー通信

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「型」で学ぶはじめての俳句ドリル:2章 レッスン1/とくにいみはありません

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前回はこちら
「型」で学ぶはじめての俳句ドリル:1章/「チーム樹海」から抜け出すために - ネミー通信

俳句初心者がとにかく練習せねばという危機感にかられ、
実際に作りながら基本を学ぶべく
岸本尚毅・夏井いつき共著『「型」で学ぶはじめての俳句ドリル』を読み始めました。
まず、2章のレッスン1(ドリル1、2)に取り組みます。

レッスン1

レッスン1は俳句が表現するもの、それにまつわるありがちな誤解について
ドリルが二つ用意されています。
(続きます)

ドリル1

五七五の形になっている、言葉の塊それぞれの違いがわかりますかという問い。
ざっくりですが、わたしにとっては以下のとおりです。

  1. 俳句 基本的には有季定型の五七五で出来た詩。表現するもの、文芸のひとつ。
  2. 川柳 季語なし。風刺や笑いの要素が強いイメージ。
  3. 標語 道徳的な心がけを示したスローガン。夏休みに小学生が作ったりする。
  4. ことわざ 古くからある教訓とかあるある話を示したもの。
  5. 憲法第二十三条*1 たまたま五七五だっただけの、憲法の一部。明確な意味を規定。
「チーム裾野」あるあるの誤解

ここで「チーム裾野」*2は、俳句がどんなものか、何を表現するかについて考える時に
「自分にはわからないような深遠な意味や重要なメッセージを訴えるもの」
「何か意味を持たせるべきもの」と思い込みがちだと
夏井さんは指摘しています。
実際はそうじゃないと。
もちろん明らかにメッセージ性の強いタイプの句で名句もあるけれど、
子規以降の俳句の歴史としては、ただ純粋な情景の句を作る、
ただ見たままを述べる句として読み取る方向が大きな流れになった。

なかなか「特に意味はないよ、見たままを述べたんだよ」に納得できない「チーム裾野」には、
著者らは強引なやり方だとしながらも、あくまでわかりやすくするため*3、俳句には二つの側面があるとしています。

①メッセージを投げかける句
②ただ見たままを述べた句

の二つです。

ドリル2

上記の①メッセージ性の強い句 が好きな人は「蟇」派*4
②ただ見たままを述べた句 が好きな人は「蛙」派*5
自分はどちらなのか例句をいくつか読んでみて診断する楽しいテストが載っていました。

やってみたところ、わたしは2:1で「蟇」派=①メッセージ性の強い句派でした。
なんと。何だか自分としては意外でした。

このテストは、自らの好みをはっきり自覚することによってまず持ち味を伸ばし、
その後自分のタイプ以外の句にも目を向けてより広く鑑賞していけるようになりましょう、
という目的だったようです。
ただ、メッセージ性の強いタイプの句をわたしが好むとして、
今まで自分で作った句もそういう傾向にあるかと言われると、何だかそうでもないような…。
自分の持ち味らしきものが何なのか、ノートを見返そうと思います。

*1:学問の自由はこれを保障する。なるほど五七五です。

*2:俳句というものを富士山のような高く美しい山に例えた時、その裾野にいる人たちの総称。俳句に少し興味を持った人、始めたばかりの人を指す。

*3:個人的には常々「わかりやすい」ということは危険だと思っていますが、ここでは「ひとまず初心者のために強引に言い切る」と明記されているので安心感があります。今自分はわかりやすく説明されているのだと理解できる状態が大切。本当は二つの側面だけでは全然収まりきらない複雑な要素が俳句にはあるのだと思います。

*4:蟇誰かものいへ声かぎり(加藤楸邨)から由来。この句はメッセージ性がとても強い。

*5:古池や蛙飛こむ水のをと(松尾芭蕉)より由来。この句は現在では純粋な情景の句として捉えられている。