ネミー通信

いつもねむいかおなかへってるかのどちらか

「型」で学ぶはじめての俳句ドリル:2章レッスン2/遊べと言われたがうまく遊べない

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前回まではこちらから⇒1章 2章レッスン1

俳句初心者がとにかく練習せねばという危機感にかられ、
実際に作りながら基本を学ぶべく
岸本尚毅・夏井いつき共著『「型」で学ぶはじめての俳句ドリル』を読み始めました。
2章のレッスン2(ドリル3、4、5)に取り組みます。

レッスン2

レッスン2は名句をあげて、その上五*1「○○○○や」を自由に変えてみる練習です。
「や」は「切れ字」*2*3という俳句固有の言葉遣いの一つ。
「チーム裾野」*4の一員であるわたしは、揺るぎない名句を勝手に変えたりしていいものかと気後れしますが、
みんなで遊ぼうぜ!と夏井さんもおっしゃっているので、恐れずにやってみます。

(続きます)

ドリル3

この名句の上五の「古池」を自由に変えてみます。
ただし、「蛙」が春の季語なので、穴埋めは季語でない四音ということになります。

ドリル3の後のコラムや岸本さんの解説によれば、
蛙が水に飛び込んだポチャンという音をきっかけに心の中に古池が見えてくる…という読みは
「古池や」の「や」でしっかり切れ目が感じられるからこそのもの。
ドリル3の中で「や」による断絶を意識できたらいいですね。

以下、わたしの練習です。

  • 畦道や蛙飛こむ水のをと

畦道をゆっくり歩いていてポチャンと音がした、振り向いたら蛙が田んぼの水に飛び込んだ波紋が残っていた…という感じでしょうか。
切れ目はあまり感じられないかも。

  • 停電や蛙飛こむ水のをと

何も見えない中で蛙がどこかに飛び込む音がして、というよく分からない状況ですが、
暗闇の中で音だけの世界にいる、音が強調されている感じがします。

  • 丸窓や蛙飛こむ水のをと

切れ目が一番はっきりしているけれど、伝わりづらいかもしれない。
個人的には「和室にいて、和室には丸窓があって、庭のほうからポチャンと音がした。多分蛙が飛び込んだんだな~とぼんやり考える」
というゆったりした時間を感じる…ような気がする。

果たしていいのかこれで。(「チーム裾野」の不安)
でも四音を変えるだけで句の印象や指す情景ががらっと変わることがよく分かりました。

ドリル4

ドリル3と同じように上五の「下京」(しもぎょう)を変えます。
ドリル4では一歩進んで、無難な言葉に落ち着かず、
「下京」のようにピンポイントでこれがいい!という語を探ってチャレンジしましょうとされています。

  • 茅葺や雪つむ上の夜の雨

雪が積もって雨が降っている場所として茅葺の屋根を入れました。
普通のよくある感じ。ピンポイントとは言えなさそうです。

  • 素うどんや雪つむ上の夜の雨

雪が積もり、雨が外で降っている中、家の中でぬくぬくうどんを食べている。
しかも素うどんだからお金のない人かもしれない。より具体的な情景が見えた気がします。

長谷寺と言えば紫陽花。一番有名な景色が見られる季節には観光客が殺到するけれど、
それ以外は意外とひっそりしているというお寺って結構ありそうです。
雪が積もった長谷寺、しかも雨の夜、しっとりした静かな風情がありそうだなと思います。

ドリル5

  • 院長や朝寝十分大股に(森夢筆)

今度も上五の「院長」を変えます。
上五だけで句全体の時間や空間を自在に変えられることを意識するドリルです。

  • 住職や朝寝十分大股に

イメージですが、住職はたぶん殆ど朝寝しない。
けれど、たまに一日休みという日があって(あるのかな)ゆっくり起きた時の贅沢感でご機嫌、という雰囲気。

  • トラ猫や朝寝十分大股に

よく寝た猫が伸びをして、しなやかに大股でどこかに歩いていく。
「黒猫」が最初に思いつきましたが、それより三毛猫やトラ猫っぽい。

  • 菜園や朝寝十分大股に

畑を借りている人や庭に家庭菜園を作った人がのんびり外に行って、
かなり上がってきた太陽の光を浴びながら家庭菜園を楽しむ様子です。

あとは色んな軸をぶっとばすという意味で「モナリザ」を思いついたのですが、
モナリザが大股でどこかに行ってしまったら大変なのでやめました。

遊ぶのが下手だ

遊ぶことにうまい下手やきちんと、ちゃんと、なんて言葉は合わないのですが
しっかり遊べていたか気になってしまう「チーム裾野」の一員です。
もっと自由に言葉を使いこなせたらいいのですが。

*1:俳句を五・七・五で分けた時の最初の五音のこと。

*2:俳人の藤田湘子によれば、切れ字には三つの効果がある。 (1)詠嘆:~だなあ、~だ!という感動や驚きを表す。 (2)省略:~や、とそれ以上述べないことで読み手に想像させる。 (3)格調:リズム、響きの良さが出る。

*3:上記の脚注2は堀本裕樹・又吉直樹共著「芸人と俳人」111~112頁を参考にしました。

*4:俳句というものを富士山のような高く美しい山に例えた時、その裾野にいる人たちの総称。俳句に少し興味を持った人、始めたばかりの人を指す。